ILCE-1

フォーカス設定ガイド

被写体を追尾する(トラッキング)

狙いたい被写体を指定し、シャッターボタンを半押しするとカメラ任せで被写体を追尾させることができます。また、被写体が人物の場合、被写体の状況に応じて、フォーカス枠が顔や瞳の位置にシームレスに移動します。

トラッキングの開始位置を[フォーカスエリア]で指定する

フォーカスエリア]の[トラッキング]で設定しているフォーカス枠を開始位置としてトラッキングを開始します。被写体に合わせて[[トラッキング]を設定することで、ピンポイントで被写体を狙いたい場合や、高速で動く被写体の捕捉できる確率を高めたりすることができます。

複数の選手がいる状況や被写体が小さい場合には、[トラッキング]の設定を[スポット: M]や[拡張スポット]に設定します。トラッキングを開始すると、周りの被写体の影響を受けずに、その選手にピントを合わせ続けられます。

周囲に被写体がなく、動きの激しい被写体をトラッキングしたい場合には[トラッキング]の設定を[ゾーン]や[ワイド]に設定します。背景にピントが移動する可能性が下がり、被写体を捕捉しやすくなります。

トラッキングと[顔/瞳AF]の連携

あらかじめ[顔/瞳AF]の設定項目で顔や瞳にピントをあわせるように設定しておくと、トラッキング機能で被写体を追従中に顔や瞳が検出された場合、フォーカス枠は自動で顔や瞳に移動します。

一時的にトラッキングや顔/瞳検出機能を停止する([押す間トラッキング/顔OFF])

普段はトラッキングや顔/瞳AFを使用して撮影しているが、撮影中に別の被写体に切換えたい場合や 撮影対象の人物がヘルメットをかぶって顔認識しないときにトラッキングや顔認識の機能を一時的に停止することができます。
トラッキング機能を一時的に停止すると、トラッキングを開始したフォーカスエリアに切り換わります。[スポット]でトラッキングを開始した場合は、撮影したい被写体に対してフォーカスエリアの枠で自分の撮りたい被写体を指定できます。
意図する被写体にフォーカスが合った後、[押す間トラッキング切]を解除することで、再びトラッキングを開始することができます。

操作手順

  1. フォーカスモードをAF-C(コンティニュアスAF)に設定する。
  2. MENU→ (フォーカス)→[フォーカスエリア]→[フォーカスエリア]→[トラッキング]([スポット: M]等)
  3. MENU→ (フォーカス)→[顔/瞳AF]→[AF時の顔/瞳優先]→[入]
  4. MENU→ (フォーカス)→[顔/瞳AF]→[顔/瞳検出対象]→[人物]
  5. MENU→ (セットアップ)→[操作カスタマイズ]→[カスタムキー/ダイヤル設定設定]→以下の設定をしてください。
    撮影中に操作可能なAF-ONボタンやAELボタンへの割り当てがおすすめです。
    ここでは、AELボタンに機能を割り当てる手順を説明いたします。
    • トラッキング機能を一時的に停止:
      (AELボタン)→[押す間トラッキング切]または[再押しトラッキング切]
    • [顔/瞳AF]機能を一時的に停止:
      (AELボタン)→[押す間顔/瞳優先OFF]または[再押し顔/瞳優先OFF]
    • トラッキングと顔/瞳AFの両方の機能を一時的に停止:
      (AELボタン)→[押す間トラッキング/顔OFF]または[再押しトラッキング/顔OFF]

    * AF-ONボタンを使用してAF動作を行っている方は、レンズのフォーカスフォールドボタンへの割り当てがおすすめです。

撮影時

  1. 撮影したい選手は中央の選手。顔認識が他の選手になってしまった場合や、撮影途中で中央の選手を撮影したくなった場合。
  2. [押す間トラッキング/顔OFF]を割り当てたAELボタンを押して、自分で設定した[スポット: M]のフォーカスエリア枠で意図した選手にフォーカスを合わせることができる。
    • 被写体の顔が正面を向いている状況など安定して追尾できるシーンになったら、[押す間トラッキング/顔OFF]を割り当てたAELボタンを離しトラッキングや顔/瞳AFへ切り替えが可能です。
    • [トラッキング中エリア枠表示]→[入]にしておくと、トラッキング中もフォーカスエリアの枠を表示させることができます。被写体をトラッキングしている間もトラッキング開始エリアが表示されるため、次の撮影を始めるときに便利。
    • [押す間トラッキング/顔OFF]は、AF動作中や連続撮影中でも有効なため、急な被写体変更等にも対応可能です。

トラッキング中もトラッキング開始エリアを表示し、再度オートフォーカスを開始する際に被写体を捉えやすくする([トラッキング中エリア枠表示])

トラッキング中もトラッキングを開始したフォーカスエリアの枠を表示できる機能です。トラッキング中の被写体から他の被写体に切り換えたい場合、事前にフォーカスエリアの枠が表示されているので、被写体を迅速にとらえることができます。

操作手順

  1. フォーカスモードをAF-C(コンティニュアスAF)に設定する。
  2. MENU→ (フォーカス)→[フォーカスエリア]→[フォーカスエリア]→[トラッキング]([トラッキング:ワイド]以外 )
  3. MENU→ (フォーカス)→[フォーカスエリア]→[トラッキング中エリア枠表示]→[入]

撮影時

  1. トラッキング機能で「A」を追従開始。
  2. [トラッキング中エリア枠表示]が[入]の場合、トラッキング中にはトラッキング枠とトラッキング開始エリアの両方が表示される。
  3. トラッキングを中止して、他の被写体にフォーカスを切換えたい場合、あらかじめトラッキング開始エリアが分かっているため、被写体を迅速にとらえることができる。
    * トラッキング機能を一時的に停止できる[押す間トラッキング/顔OFF]機能との併用も有効です。

トラッキングを行っているトラッキング枠の位置をトラッキング開始エリアの位置に変更し、迅速に被写体を捉える([フォーカススタンダード])

サッカーの撮影など攻め込む選手の前に空間を開けて撮影したいシーンでは、空間を開けたい位置が入れ替わるたびにトラッキング開始エリアに合わせて構図を変えるか、追尾を開始するトラッキング開始エリアの位置を移動させる必要があります。
トラッキング中に迅速にトラッキング開始エリアを切換えたい場合には、トラッキング中にカスタムキーに[フォーカススタンダード]を割り当てたボタンを押下すると追尾中のフォーカス位置にトラッキング開始エリアを移動することができます。
* この機能は[トラッキング中エリア枠表示]を[入]に設定しておくと、フォーカスエリア枠の移動先が確認できるので便利です。

操作手順

  1. フォーカスモードをAF-C(コンティニュアスAF)に設定する。
  2. MENU→ (フォーカス)→[フォーカスエリア]→[フォーカスエリア]→[トラッキング]([トラッキング:ワイド]以外 )
  3. MENU→ (セットアップ)→ [操作カスタマイズ]→[カスタムキー/ダイヤル設定設定]→以下の設定をしてください。
    撮影中に操作可能なマルチセレクターの中央ボタン(初期設定)、AF-ONボタンやAELボタンへの割り当てがおすすめです。
    ここでは、マルチセレクターの中央ボタンに機能を割り当てる手順を説明いたします。
    (マルチセレクターの中央ボタン)→[フォーカススタンダード]

撮影時

  1. 撮影したい選手を右側でトラッキング開始。
  2. 選手の動きに追従しトラッキング枠も左に移動します。
    通常ではAF動作を停止するとトラッキング開始エリアは前回追従を開始した右側になります。
    このタイミングでカスタムキーに割り当てた[フォーカススタンダード]を押すと、トラッキング開始エリアを左の追尾中のエリアに変更することができます。
    このため追尾開始のためにフレーミングを変更したり、フォーカスエリアの枠を動かしたりする操作が必要なく迅速に次の追従を開始することができます。

一時的に[フォーカスエリア]を[トラッキング]に切り換える([押す間トラッキング])

一時的に被写体を追尾する([押す間トラッキング])

あらかじめ、カスタムキーに[押す間トラッキング]を割り当てておくと、カスタムキーを押している間、一時的に[フォーカスエリア]の設定が[トラッキング]に切り替わります。 このときの[トラッキング]の種類は、[押す間トラッキング]を実行する前に設定していた[フォーカスエリア]の設定がそのまま引き継がれます。

例 :

[押す間トラッキング]実行前に設定していた[フォーカスエリア] [押す間トラッキング]実行中の[フォーカスエリア]
[ワイド] [トラッキング:ワイド]
[スポット: S] [トラッキング:スポット S]
[拡張スポット] [トラッキング:拡張スポット]

[押す間トラッキング]が有効なシーン

追従したい被写体が小さい場合や障害物などで見えない状況からの追従

  1. 被写体が遠く小さい時または障害物等で見えない状況では、[スポット]で追従
  2. 狙いの選手が迫ってきたら、シャッターボタンを半押しのまま[押す間トラッキング]を押す
  3. トラッキング中は、構図のバリエーションが可能

トラッキングを中断し[スポット]で被写体を追従したいとき

  1. [スポット]の位置を被写体を捉えやすい位置に設定。カスタムキーで設定した[押す間トラッキング]を押しながら「A」を追従する。
  2. トラッキングの対象を被写体を「B」に変えたい
  3. [押す間トラッキング]のカスタムキーを離し、予め設定しておいた[スポット]で「B」を追従。意図したタイミングで[トラッキング]と[スポット]の切換が可能。

トラッキングと[顔/瞳AF]の連携

あらかじめ[顔/瞳AF]の設定項目で顔や瞳にピントをあわせるように設定しておくと、トラッキング機能で被写体を追従中に顔や瞳が検出された場合、フォーカス枠は自動で顔や瞳に移動します。

[スポット]使用時に、トラッキングの有無を瞬時に切り替える([カスタム撮影設定登録])

オートフォーカス中に次々と被写体を切り替えたいときは、フォーカスエリアを[スポット]に設定するのがおすすめですが、動きが激しいシーンで自由な構図で撮影をおこないたい場合はトラッキングとの組み合わせが便利です。AF-ONボタンなど押しやすいボタンにトラッキング機能を割り当てると、スムーズな切り換えが可能となります。
シャッターボタンを半押しすると[スポット]でピントを合わせ、AF-ONボタンを押すと被写体の追尾を開始します。

操作手順

MENU → (セットアップ)→[操作カスタマイズ]→[カスタムキー/ダイヤル設定設定]→[AF-ONボタン]→[押す間カスタム設定呼出1]→[フォーカスモード]を[コンティニュアスAF]、[フォーカスエリア]を[トラッキング:スポット M]、[AFオン]を[する]→[登録]

  • フォーカスモード: AF-C(コンティニュアスAF)
  • フォーカスエリア]: [スポット: M]
[スポット]と[押す間カスタム設定呼出1] ~ [押す間カスタム設定呼出3]を切り換えて撮影することが有効なシーン

被写体が複数の場合は[スポット]で撮影。被写体が単独だったり激しく動いたりする場合は、AF-ONボタンを押してトラッキングを開始させる。

マラソンのスタート直後は順位の入れ替わりが激しいので、[スポット]でそれぞれの選手を撮影します。

ゴール近くでは1人の選手をAF-ONボタンのトラッキングで、背景とのバランスを考えて自由な構図で撮影します。